『 gufo – TRIP 』

今回の羽休めに選んだ場所は、北西イタリア ピエモンテ州都のトリノ。イタリア4番目の都市。
目的はピエモンテ料理、カフェ、歴史、建築そしてカルロ・モリーノ。(FIAT、ユベントス、そして名古屋の姉妹都市でもある)

名古屋セントレア空港からヘルシンキ〜ミラノと飛び、ミラノ・マルペンサ空港から高速バスにて2時間でトリノ着。
この日の夜にユベントスとローマの試合が行われていた。間に合わず残念。

政治力と財力を共に備えたフランス貴族サヴォイア家がトリノに初めて居城を構えたのは1280年。
1560年にサヴォイア家がトリノへ遷都したことで、トリノは歴史上最も長く栄える貴族家の支配する王国のもとにイタリア統一がなされ、1865年に首都がフィレンツェに移るまで、イタリア王国の最初の首都となる。
この豊かな実りをもたらす大地と、侵略・防衛上欠かせないポー川を備えた小都市は、フランスの影響を色濃く受けている。


トリノに着いた翌日は 1月6日、イタリアではEpifania(エピファーナ)と呼ばれるカトリックの祝日。
エピファーナは、キリストの誕生後、東方の三博士が貢物を持って幼子イエスを訪ねた日を祝う。
こちらの聖ヨハネ大聖堂(ドゥオモ)にもたくさんの人々が集まりミサが行われていた。厳かな雰囲気が感じられる。


後日、大聖堂の中を見学。重厚な鋼鉄のドアを一歩入ると、石で四方をかこまれた空間独特の冷気が全身を包む。
キリスト教最後にして最大の謎、「聖骸布 せいがいふ」(Sacra Sindone)が保存されている。


大聖堂近くのチェーザレ・アウグスト広場には多くの考古遺跡が残されている。ローマ帝国時代(紀元一世紀頃)の外壁の一部であったパラティーナ門が残っている。2つの塔を有し、中世には城門の役割を果たしていたらしい。


《 Palazzo Reale di Torino 》トリノ王宮。カステッロ広場Piazza Castelloのまわりには、サヴォイア王家にとって戦略的に重要で、現在もなおトリノの文化的な核を築く堂々たる建築物が集中している。特に重要な王宮とマダーム宮殿で、両者ともユネスコ世界遺産リストに登録されている。


《 Piazza Castello 》カステッロ広場。


《 Palazzo Madama 》マダマ宮。クリスティーナ・ディ・フランチャさんが住んでたお屋敷。
フランスの王様アンリ4世と、フィレンツェのメディチ家のマリアさんの娘がクリスティーナ。
サヴォイア公のヴィットーリオ・アメデーオ1世と結婚して、王様の奥さん「マダマ・レアーレ」に。


バロック様式のエントランスが素晴らしい。


王様の奥さん「マダマ・レアーレ」の部屋。ヴェルサイユのような豪華な内装。

1861年、当時のサヴォイア家当主ヴィットリオ・エマヌエレ2世 (Vittorio Emanuele II)は、イタリア統一を果たし、イタリア王国の君主となる。
そして初めて「統一イタリア」の首都となり、ナショナリズムの象徴と原点となったのが、トリノだった。

街のシンボルへ
『 国立映画博物館とラ・モーレ塔(Muzeo Nazionale del Cinema & Mole Antonelliana) 』


トリノのシンボル、ラ・モーレの塔は正式にはモーレ・アントネッリアーナ(Mole Antonelliana)。この塔はトリノを代表する建築家アレッサンドロ・アントネッリにちなんでつけられた名前。もともとこの建物は、ユダヤ教のシナゴーグとなるべく建設が始まったのだが(1878年)、建設中に国によって買い上げられ、統一イタリアの王、ヴィットリオ・エマヌエレII世に捧げられるに至った。建設された当初は167.5mの高さで、これは当時のヨーロッパ一高い建物であった。


2006年、名演小劇場で観た映画『トリノ、24時からの恋人たち』の舞台になったモーレ・アントネッリアーナの中にある国立映画博物館。ここへ来れるとは思ってもいなかった。目の前にして映画の内容が思い出される。


映画博物館は吹き抜けになっており、その真ん中にあるエレベーターで176mの最上階まで一気に上がる。


天気が良かったのでアルプスの麓に広がるトリノの街を一望できた。
白いエアーバルーンが一機飛んでいるのが絵になる。


映画博物館の館内。
愛して止まないイタリア映画の巨匠フェデリコ・フェリーニ監督の愛用していたツイードのハットと赤いマフラー。


こちらもイタリア映画の巨匠であるルキノ・ヴィスコンティ監督の部屋。代表作『山猫』の映像が流れている。
写真はアラン・ドロン、クラウディア・カルディナーレの名シーン。


館内にあるモロク神(Moloch)の像。イタリア映画史上最高の成功作ともよばれる1914年制作のサイレント映画「カビリア cabiria」で使用された。

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