『My Favorite Things 』

DSC09570
昨年の夏、ヴェネツィア・プンタ デッラ ドガーナ現代美術館のミュージアムショップにて世界中の美術コレクターが、今なお美術作品のように収集する伝説の美術雑誌「カイエ・ダール(Cahiers D’Art)」の100号目と出会った。
その歴史は古く1926年の創刊から60年の廃刊までに計97巻が発行されてきた。毎号、広告は一切なく、現物のリトグラフを収容するなど、紙、印刷から図版、写真、レイアウトやデザインに至るまで1つの芸術作品のように仕上がっている。誌面ではアンドレ・ブルトン、トリスタン・ツァラ、ポール・エリュアール、ヘミングウェイなど多くの文化人が美術批評や詩を発表し、ピカソ、マチス、ジャコメッティ、ミロやデュシャンら芸術家たちも同誌掲載のための作品を作っていた。

DSC09619

それから半世紀、2010年のパリでドラマチックに始まったスウェーデン出身のアートコレクター、スタファン・アーレーンバーグによる『カイエ・ダール』復刊劇。
復刊から3号、通算100号目は、世界的な現代美術家である杉本博司の特集号で、普及版と限定版の2種類を刊行している。この特集は構想から出版まで2年の歳月をかけ、パリやニューヨーク、東京で作家との綿密な打ち合わせを行い、彼の代表的な写真の作品だけでなく、建築や古美術、文楽など多岐にわたる活動や、杉本博司の手による文章も掲載している。

DSC09645

カテゴリー: My favolite things   パーマリンク

コメントは受け付けていません。