『My Favorite Things 』

「日本におけるイタリア年」をきっかけに2001年の春に始まった「イタリア映画祭」は、今年で16回目。ゴールデンウィーク恒例のイベントとなり、毎年1万人を超える観客が訪れています。東京と大阪だけでの開催です。今までのイタリア映画祭で観て印象に残った作品、イタリアの夏を感じながらイタリアの社会問題を取り上げた3作品をご紹介させていただきます。DVDレンタルもありますので初夏の気持ちよい日にご鑑賞されてみては。

・2006年イタリア映画祭 プレミア上映作品 
「13歳の夏に僕は生まれた」Quando sei nato, non puoi più nasconderti
2005年/115分/監督:マルコ・トゥリオ・ジョルダーナ
北イタリアのブレシャの裕福な家庭に住む13歳の少年サンドロは、父親と地中海のクルーズ中に海に落ちてしまい、違法移民の乗る船に助けられる。サンドロがそこで見た世界はこれまでと全く異なるものだった。「社会派」ジョルダーナ監督の面目躍如というべき硬派な作品です。現代イタリアの移民問題という厳しい現実を、13歳の少年サンドロの目を通して描き出しています。『ぺッピーノの百歩』と『輝ける青春』の巨匠、ジョルダーナ監督の新作で、去年のカンヌ国際映画祭でコンペに出品されて絶賛を浴びた。父親役を『輝ける青春』で自殺する弟を演じたアレッシオ・ボーニが好演している。オープニングでの難民船で、そしてラストにアリーナが口ずさむエロス・ラマゾッティの『思いは永遠に』も印象的。

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・イタリア映画祭2015 特別上映作品
『 海と大陸 』TERRAFERMA
2011年/88分/監督:エマヌエーレ・クリアレーゼ
ベネチア国際映画祭銀獅子賞を受賞したこともあるエマヌエーレ・クリアレーゼ監督によ­る感動の人間ドラマ。地中海、イタリア南部シチリア海峡に浮かぶ小さな島、リノーサ島で代々漁業を営んできた一家が、法律違反­と知りながらアフリカ難民の命を救ったことから始まる人生の転機を風光明媚­な風景と共に映し出す。主演を務めるのは、クリアレーゼ監督作品には欠かせないフィリ­ッポ・プッチーロ。厳しい現実と共に人間の持つ善良さや優しさを捉えた物語に心打たれ­ます。

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・第67回カンヌ映画祭審査員グランプリ受賞映画
『夏をゆく人々』Le Meraviglie
2014年/111分/監督:アリーチェ・ロルヴァケル
2014年第67回カンヌ国際映画祭で「グランプリ」を受賞し、世界から才能が認められたイタリアの女性監督アリーチェ・ロルヴァケルの長編2作目となる『夏をゆく人』。監督アリーチェ・ロルバケルが、自身の故郷イタリア中部トスカーナ地方の人里離れた土地を舞台に、昔ながらの製法で養蜂園を営む一家のある夏の物語です。主人公の少女ジェルソミーナは4人姉妹の長女で、気難しい父の独自の教育を受けてきた。深奥なるその地で、家族は蜂と自然のリズムの中で生活を営んでいたが、ある夏の終わり、少年を預かったことにより、そのリズムに変化が生じる。夢と現実のあわいを行きつ戻りつしつつ、成長を遂げる少女と、葛藤する父の姿を描いた家族の物語。幻想的で詩的な映像が美しい。

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