「長距離走者の孤独」 （１９６２） 監督： トニー リチャードソン
「怒れる若者たち」（Angry young man ) の一員として文壇に登場し、権威への反撥、アナーキズムに満ちた反体制行為によりプロテストを試みたアラン シリトーの原作を「密の味」などイギリスの現状をリアリズムに根ざした映像で描くトニー リチャードソンにより映画化。感化院送りになる一人の少年の反抗を通して、当時のイギリスの沈滞したムードに反旗を翻した若者の生々しい姿が描かれる。６０年代初頭の空気感をすくい取る監督の手腕が、原作を凌駕する作品となっている。
