『 My Favorite Things 』

『テレオマ』(1968) 監督:ピエル パオロ パゾリーニ

60年代〜70年代のパゾリーニの映画は既成の権威に挑戦する斬新な作品が多い。テレンス スタンプがエクセントリックな美少年を演じ、常識を超えた力を持つ超越者という神話的寓意を加えた。有産階級の家族がひとりの青年の存在により内部から破壊されていく家庭を時間軸の倒置による独特の映画構成で描いた。このスタンプが演ずる少年は現代社会が失ってしまった規範を表しているように思える。破壊される家族の一員を演じたラウラ ベッティーが少年がいなくなったあとも社会の再生を目指すようになる。68年の作品ながら、現代社会への問題へも通じる奥行きある作品。この作品でラウラ ベッティーはベネチア映画祭助演女優賞に輝いた。

テオレマ

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