ヂュッセルドルフ芸術アカデミーでベッヒャー夫妻の下で学んだいわゆるベッヒャー派の代表的なアーティスト トーマス ルフの個展ヘ。同じベッヒャー派のグルスキーしかりドイツの写真は昔から肌に合う。ポートレイトを巨大に引き伸ばしアクリルにプリントしたportrats や火星表面の画像作品ma.r.s 、キャプションを除いた新聞掲載写真のシリーズnews paper, 微光暗視装置のシリーズ Nights , JPEG の画像を引き伸ばしブロックノイズをディティールに取り入れたシリーズJpeg などルフの代表的な18のアプローチが順を追って展示されている。写真というメディアそのものを客観視することで生まれるタイポロジーのようなイメージは人の視覚体験から直接脳へとコンタクトする。眼もカメラも、ハイテクノロジーも一つの装置であり、人間も建築も宇宙を含む自然もひとつの素材に過ぎない、と思わず考えてしまうのが面白かった。
・トーマス・ルフ展 場所:東京国立近代美術館 期間:〜2016/11/13(日)